洗濯で落ちる系の墨液を使っていませんか?

まなかな主宰 遠山 ちひろです。今回は、文房四宝(ぶんぼうしほう)に関するお話をしたいと思います。書の世界では、筆、すずり 、墨、紙を文房具の四つの宝と言っています。考えてみれば今は手軽な文房具(すぐに字を書ける)が、安価な値段で手に入りますよね?

昔、むかし、そのむか〜し。文房四宝が無ければ、字を書くことはできない時代がありました。それに、値段も高価なため”字を書く”こと自体にステータスがあったのですね。今の私たちの生活からすると想像し難いですよね!

現在に至っても、この4つの宝である書道用具の使い分けをできていないと、上手に書けない要因にも繋がってしまうこともあるのです!!実際に、お道具を変えて同じ字を書いてもらったところ、実は上手に書けていた・・・ということだってあります。(悩んでいた日々は!?何だったの!!)

まずは代表的なもので言うと、筆ですね。100円ショップのものは、まず選ばない方が良いです。筆についてはまた別の記事で深掘りしますが、本日は墨液についてです。え?墨液で書き味が変わるの?と驚かれたかもしれませんが。結論から言うと大いにあります!!!

そして、中でも”洗濯で落ちる系”の墨液を使っている方も少なくありません。もし、お稽古中にお気に入りのお洋服に墨液が着いてしまったら悲しいですものね。

でも実は多くのお子様自体が体感しているのですが、難点なのは書き味が滑らかではないと言うことなのです。そして仕上がった作品が異常にテカテカしていて、青みが強くなります。(漆黒が魅力なのに・・・)。

例えば洗濯で落ちる系の墨液を選ぶ理由としては、着ているお洋服に付いたら困ると言うことですよね?それであれば多少汚れても良い服、墨液が目立たない黒い服、エプロンなどで対処した方が賢明です。墨液、口紅落とし系のアイテムもあり、正直なところ、、それらを使用した方がよっぽど綺麗になります。それにある程度回数を重ねると、汚れる確率もかなり減ってきます。どちらかと言うと、学齢の低いお子様などで、線の練習用などに使用すれば良いかと考えます。または、墨液ではなく水を使用して書く水かき書道もおススメです。(書き味は墨液のものと比べても劣らない感覚です!)

具体的に市販品の墨液であれば300円代のもので、清書用(呉竹さん、開明さんのものが安定しています)が宜しいかと思います。私の教室では、日本習字さんの厳選された煤(すす)を使用した伸びが良く滑らかなら書き味が特徴の墨液(香りも好評です♪)を使っているので、前者の墨液を使っていた生徒が、その書きやすさを実感し、学校の書道用具と交換するくらいです(笑)

こればかりは、実際に比べて試してみないことには感じていただけませんが、その価値はありますよ。書きやすさをお道具でサポートして、お子様のやる気スイッチをどんどん押してあげましょう(o^^o)