漢字の許容(きょよう)とは

まなかな主宰遠山ちひろです。本日のテーマは「字の許容について」です。ちょっと聞きなれないことばですよね?! とは言え一度は字を書く際に迷ったことはないでしょうか?「線が付く、離れる?」「令和のれいはどのかたちが正解?」(リンク先:漢検のQ&A質問4)などです。結構身近にある疑問で保護者の方たちからもご質問を頂戴します。

文部科学省では「学習指導要領」という取り決めがあり、全国どこの学校でも一定の水準が保てるよう、文部科学省が定めている教育課程(カリキュラム)の基準です。およそ10年に1度、改訂しています。子供たちの教科書や時間割は、これを基に作られています。

その学習指導要領の中で、漢字学習の際に学年別常用漢字表が使用されます。どう書いたらいいのか迷ったらこちらを参考にすると良いでしょう。

そしてこの教科書体だけが唯一の正解・・・と思っている方もいらっしゃるのですが、印刷時や手書きにおいても、文字の種類はたくさん存在しています。よってそれぞれが正しい形というのが正解です。

これを理解する上で知っておくと良いと言われているのが「字形」と「字体」です。

文化庁のレポート参考にまとめました。(常用漢字における字体・字形・書体等の考え方より)

字形=個々の文字の見た目,形状のことである

*手書き文字 印刷文字 情報機器等の画面上に表示される文字を含む 以下同様を問わず,目に見える文字の形そのものを言う場合に使われる用語である。

字体=字体は,文字の骨組みのことである

*文字の骨組みとは,ある文字がその文字として認識される字形のバリエーションの範囲を枠組みとして捉えたときに,その枠組み内にある様々な字形に一貫して表れている共通項を抽出したものである。

ややこしい・・・(汗)活字が多いと思考を止めたくなりますね(笑)

ということで!私なりに理解しやすいように、人間の体に置き換えて考えてみました。胴体・頭・手足というパーツ内に骨があり、その周りにお肉がありますね。人によって筋肉が多かったり、脂肪が多かったり、成人や子供の違いは明らかですが、同年齢の成人同士、子供同士だって個人差があります。見た目のバリエーションが存在しますね。これが字形、そして見た目のバリエーションは多数あっても=人間ということは認識できる。それが字体ということではないか?

少しは分かりやすくなったでしょうか?人間世界に形の正解なんてないわけで、、、漢字の世界も私たちと同じなんですね♪ ではまた~!